10Xには2019年末に策定し、会社の最もコアの価値観として運用してきた10X Valuesがあります。これは10Xの「心臓」とも言える、10Xの営みのすべてを支える価値観ですが、2年の運用を経て、アップデートを行いました。その内容についてお伝えしたいと思います。

TL;DR


  • 会社が大きく変動しているため、一度定めた10X Valuesを全メンバーで見直してアップデートしました。2年を目安の耐用期間として運用していきます
  • 10X Valuesはあらゆるステークホルダーと関わる行動の背景なため、この「経緯」を開いていくことは重要だと考えました
  • このValuesと共感いただける方と一緒に働きたいです!

なぜアップデートが必要に?


2021年の後半、大きく変動する事業や組織において求められる行動に対し、「10X Valuesが適切にワークできていない」と感じられる瞬間が徐々に増えてきていました。

それはメンバーからのフィードバックや、日々の活動における不具合や不整合、といった形で徐々に顕在化していきました。

前提の変化

10X Valuesの初稿を策定当初、現在のStailer事業はまだ存在せず、社員数も10名程度でした。

しかし今ではStailer事業はスケールフェーズに入り、人員はもうすぐ60名と大幅に増員しました。

前提は大きく変わっており、これに合わせた10X Valuesを見直しアップデートは必然だったとも言えます。

メンバーからのフィードバック例

以下は私が直接受け取ったフィードバックの一例です。

Valuesを個人に対して求める印象が強かったと思うのですが、これからのフェーズは個からチームへ移っていかなければいけないフェーズかなーと感じてます。

なので、個もそうですがチームとしてもValuesも意識して、チームで大きな成果を目指す + チームから個を活かすことみたいなのを改めて伝えられたらいいのかなーと感じました!

今の10X Valuesを考えてみると「逆算」はよいとして、残り2つは「自律」「背中」と個人にフォーカスしたものになっている印象があります(捉え方によってはチームにも適用できなくはないので個人的印象)。

より運用の必要性が高まっているこれからの事業フェーズにおいてはよりチームにフォーカスしたValuesもあった方がよりよい文化が育めると考えます。

特に、入社間もないメンバーもこういったフィードバックをくれたことは私にとっては大きな影響がありました。「会社の中」にいてはなかなか気づけないこと、強く意識をできないこともあり、フレッシュな目線で価値観にコメントしてくれるというのはとてもありがたい機会です。

同時に、こうしたフィードバックを伝えやすい・ちゃんと受け取られる文化はなんとしても守っていきたいと思いました。

なぜ経緯を伝えるのか?

この10X Valuesは社内に限らず、社外の方と関わる上でも同様に重要視される価値観です。ゆえに10Xへ関心をいただくすべての方へもそのコンテキストが開かれているべきだと考えました。

例えば、以下のような局面で10X Valuesは運用されています。

  • 10Xでは採用選考のすべての場面で、このValuesに沿ったフォームが用意されています
  • 半期に1度の評価ではValuesの発揮度へ対してのフィードバックを行います
  • パートナーの方へのコミュニケーションプランに対し、Valuesの反映をレビューされることがあります
  • 等々...

私を含む10Xのメンバーの言動の背景にはValuesが存在します。

アップデートの背景と合わせて積極的に開示することは、ステークスホルダーの方々へ対する必須の誠意だと考えています。

10X Values


早速ですが、新しくなったValuesを紹介させて下さい。

https://speakerdeck.com/10xinc/zhu-shi-hui-she-10x-culture-deck?slide=35

過去に使用していた「Value + 推奨される行動(Do)」というフォーマットはそのままに、

  • Think 10x
  • Take Ownership
  • As One Team という3つのValueへとアップデートされました。

旧来のValuesとの比較も掲載します。

個々のValueが日本語から英語へ変化したり、Doがよりシンプルになったり、そのコンテンツも変化したりしました。しかし大筋は変わらず、より価値観が昇華された形(≒ アップデート)となっていると思います。

アップデートはどうやったの?


まずは先にあったようなメンバーと会社の間にある課題感が顕在化し始めたことをきっかけに、アップデートの必要性を言語化する、というところからはじめました。私も直接多くのメンバーと1on1を通じて生の声を聞かせてもらったことで、認識を揃えることができたと思います。

初期的な段階での自分の整理では、先のメンバーからのフィードバックに凝縮される通り、「個」から「チーム」へ向いた価値観へのトランジションがテーマだったように思います。

課題感を掴んだ後は以下のようなプロセスで進めました。

10X Valuesアップデートのプロセス

特に全社オフサイトは重要なプロセスでした。コンテンツはシンプルで、「5人グループに分け、現行のValuesに対するKPTを行い、それをグループごとに発表する」というものです。

普段業務で顔を合わせない・なかなか時間を割けないメンバーも多い中で、全員で10X Valuesについてのみを考え、フィードバックをして認識を揃える時間は代替不可能な貴重な時間でした。

最終的に全グループのアウトプットを統合し、抽象化・整理したのが以下のテーブルです。

image

これをうけて、経営としては以下の3つをIssueとして定めました。

  1. チームでスループットを出していくことへの観点を明確にする、独立したValueを表現する
  2. 背中、自律における解釈のズレを減らし、また意味の冗長性排除の観点から統合する
  3. 「10xから逆算」について、より適切な解釈ができるアップデートを行う。
  • こういった抽象度が高いプロジェクトを取り組む際は収束が難しい事が多いと思います。しかしながら「で、解決したいことを大事な順に3つ、具体的に挙げるならなんだっけ?」というプロセスを踏むと、実際に何をすべきかが明示的になるのでおすすめです。

この後は経営会議での個々の苦悶、ワーディングの幾度とない見直し、日本語/英語の論点、メンバーからの経営アウトプットに対するフィードバック、その反映などと幾度もの往復を重ねて最終化していきました。

(この過程も社内のドキュメントにすべてまとめているため、ぜひ覗いてみたい方は10Xへ!)

新10X Valuesはどのくらい使うのですか?


今回見直しが必要になったように、10X Valuesは一度決めたらおしまい、というものではなく会社と一緒に変化し続けるべきものなのだな、と学びになりました。

この件についてSmartHR /Nstock の宮田さんと話す機会があったのですが、「SmartHRではMissionに2年の耐用期間を設けているよ」と聞いてEye-openingでした。確かに2年という期間はスタートアップにおいて前提が大きく変わるに十分な期間です。

そのため新10X Valuesも目安として2年程度の耐用期間を設定し、運用していきます。

アップデート後はどうですか?


元々刷新ではなくアップデートのため、大きく会社が変わりました!みたいな雰囲気ではありません。が、徐々にSlackで使われるスタンプが置き換わってきたり、採用プロセスでの評価フォームが新しくなったりするなど、日常的に「活用する」機会が増えてきているなあ、と感じます。

10X Valuesの原点は何かというと、(私にとっては) 創業のときから続くDay one的マインドセットです。積極的に使い倒していきたいと思います。

最後に - 10Xは引き続き絶賛採用中です


**直近の10X社全体からあふれる採用へのオーラは凄まじいものがあります。**当然のことながら、採用へ投資するにはそれに見合うだけの「大きくなる事業」が必要ですが、現在の10Xはむしろ市場からの強烈なPullに応えていくことに強くアクセルを踏まなくてはいけない、そんなフェーズです。

「組織の弾力性」「多様なアウトプットが束ねられて事業成果に結びつく構造」を創っていくのがこの1年間になります。その最先端こそ採用だと思い、経営陣もフルコミットで取り組んでいます(特に CTO石川さんの変化が素晴らしい、と思っています)。

2022年2月現在、事業サイドで28、コーポレートサイドで7、合計35のポジションで応募を行っています。きっとあなたのキャリアや、スキル、そしてこのポストにあるような価値観を発揮する機会があるはずです。

少しでもご関心がある方は、定期開催しているオープンオフィス、私のMeetyや、10X社員とのカジュアル面談などはじめの接点をもたせていただけると幸いです(文末にリンクしておきます)。

それでは新しくなった10X Valuesとこれからの10Xもよろしくお願いします!

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